インターネット公開天文台
既存の公開天文台などの天文施設ですが、その運用方針を施設中心主義からユーザー中心主義に変えて、インターネットのリモート操作によって広く設備利用を公開し、新たな利活用をうながします。
最新のインターネットを通したリモート技術の発展により、天体望遠鏡の操作や天体観測、天体写真の撮影などを、遠隔地からリモートで行う事が可能になってきました。
こうしたインターネット天文台は海外にいくつか例がありますが、国内においては大型望遠鏡の利用はこれからです。
以下のクラブ運営計画例のように、天体の写真撮影や観測、新天体捜索などの機会を一般にも公開し、申込制によって多くのプロの観測者やアマチュア天文家に提供する事により、“公開“ 天文台の意味は大きく変わってくることでしょう。

インターネット天文クラブ
ユーザー視点で見てみると、ユーザーが本当に求めているのは、望遠鏡そのものではなくて、望遠鏡(モノ)+家族や友人との楽しい星見会(コト)?
あらゆる情報をデジタルで手に入れることができる現在、ネットには探査機や大望遠鏡による天体写真があふれています。さらにVRやARといった、デジタル環境下でよりビジュアルな刺激とリアル化が進んでいく中で、天体望遠鏡を使って眼視で天体を見る事はどんな意味があるのでしょうか。
今どきの、都会で星が見えないような状況の中で、星見や宇宙への関心・欲求にどうやって火をつけ、それを満たしていけるのでしょうか。

ポケット天文GO!!
そもそも望遠鏡はいらない? シェア× コミュニティ=天文サブカル化
もし、ユーザーの願いが、楽しい星見パーティで盛り上がる事であるのならば、あえて「望遠鏡を使った天体観察会」という枠を取り去ってやれば、もっと桁はずれに多く広範なユーザーが、参加できるのではないでしょうか。
現代はシェアの時代なので、望遠鏡というモノを所有する事が必ずしもユーザーの喜びではなく、結果として「楽しい星見パーティ」に参加できればそれで良いという事になります。
スマホアプリでゲームをしたりSNSでつながったりするように、ネット社会のインフラ・プラットフォーム上で、まさに天文をゲーム化したりネット・コミュニティで盛り上がったりする、新たな天文サブカルワールドを創る事ができれば、従来の天文のマーケットで想定していたようなユーザー層ではない新たなユーザー層が増えることになるでしょう。
この層は、自分たちでは望遠鏡を買ったり撮影したりはしないかも知れませんが、「インターネット天文クラブ」が提供する一斉同時観察会に参加したり、その天体画像を取得したりするようなゲームorコミュニティ活動が、両方の層をつなぐことになるでしょう。
このようなユーザー層が増えることは、さらにケタ外れの天文需要や天文人口のすそ野を広げる事になります。結果的にはインターネット公開天文台や、インターネット天文クラブのユーザーへと変化していくエントリー層を育てることになるので、そこには本当に大きな意味があります。
